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2022/02/03【最新鋭戦闘機の事故が及ぼす影響について】

 航空自衛隊の「F-15」戦闘機1機が訓練中に石川県沖で消息を絶ちました。

 自衛隊では墜落したものとみて、搭乗していたパイロット2人の捜索を続けています。

 国防の最前線で過酷な任務に就いているお二方が一刻も早く無事に帰還されることを心から祈りたいと思います。

 

 今回の事故から1週間前にも、南シナ海で米海軍の最新鋭ステルス戦闘機「F-35」1機が事故を起こし失われています(※)。

 米空母への着艦に失敗し、パイロットは脱出に成功したものの、付近にいた乗員数名が負傷し、機体は海没しました。
 

 米海軍はF-35が沈んだ位置を明らかにしていませんが、フィリピンに近い海域や、中国大陸に近い海域が取沙汰されています。

 いずれにしても中国が国際法に反して管轄権を主張している海域内とみられ、仮に中国軍の拠点に近い海域であれば、軍事機密の塊であるF-35が中国側に渡る可能性があります。

 また、中国が「引き上げの権利は自国にある」と主張する可能性さえあります。
 

 中国は、過去にもコソボ紛争で撃墜された米空軍の当時最新鋭のステルス攻撃機「F-117」の一部や、米国がイスラム革命前にイランに供与した当時最強の戦闘機と言われた「F-14」の技術情報などを入手し、その都度、技術力を高めたと言われています。
 

 今回、F-35が中国側に渡るよう事態となれば、その影響は米国だけにとどまらず、同系の機体を保有する日本などの同盟国にも及びます。
 

 ですから、米国は何としてでもF-35を迅速に回収しなければなりません。

 回収に当たり、中国側に何らかの譲歩をしなければならない事態となれば、中国を牽制するために空母機動部隊を南シナ海に派遣した意味は無くなってしまいます。
 

 バイデン大統領が中国への圧力を弱めて、他の外交課題にあたるというような、誤った判断をされないことを切に祈りたいと思います。

 ※:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220126/k10013450741000.html