最近、ある大手放送局の中国に対する報道内容が少し変わってきているように感じます。
民主党が政権を握っていた時期は、例えば、天安門事件を中国共産党の主張に沿うような規模に矮小化した番組を放送するなど、はっきりと中国寄りの報道姿勢でした。
それが最近では、国内での格差拡大といった中国の共産主義の矛盾を明らかにしたり、ウイグルでの弾圧を告発し中国政府による工作が日本国内まで及んでいることを明らかにしたり、中国が台湾に軍事的な圧力を拡大している様子を伝えたりと、欧米の報道機関のスタンダードに少しずつ近づいているように感じます。
民主主義を守る上で報道機関の役割は大切ですから、真実を伝えるという観点から、こうした変化はたいへん意味があります。
幸福実現党をはじめとした正論が少しずつ浸透しているのではないでしょうか。
ただ、気を付けなければならないことがあります。
一連の番組からは、中国の矛盾や脅威は認識できるものの、「中国共産党指導部の考え方ははっきりと悪である」とか、「日本や周辺国を何としてでも守らなければならない」という思いには至らないように感じます。
むしろ、「中国共産党の覇権拡大は仕方ないことであり、それとどう付き合っていくか」、あるいは、「日本が中国の戦争に巻き込まれないようにするにはどうするか」といった思考方向への誘導が透けて見えます。
しかし、大切なのは、正邪をはっきりと分かつことであり、正しいものを守る姿勢を示すことです。
もちろん、あらゆる面で衝突を回避することは大切ですが、いざとなったら命を懸ける覚悟が無ければ、どんなに話し合いや交渉を行ったところで、最終的には押し込まれて私たちの生活を危機にさらしてしまうことになります。
ですから、こうした視点で報道内容を吟味することも大切ではないでしょうか。