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2021/12/25【中国依存が日本経済に悪影響を及ぼす典型例!?】

 あまり聞き慣れない言葉ですが「尿素水」というものがあります。

 文字通り尿素の水溶液のことですが、実は物流にとって不可欠なものとなっています。
 

 多くのトラックなどに搭載される比較的大型のディーゼルエンジンの排ガスの浄化に、この尿素水が必要なのですが、現在、この尿素水が品薄になっています(※)。

 燃料費の高騰などでただでさえ物流コストが上昇している中、尿素水を十分に確保できない物流業者が増えて、一層物流コストを押し上げるとともに、物流そのものに支障をきたしつつあります。
 

 尿素水の品薄の原因は、主な輸入先である中国が、最近、尿素の通関時の検査を厳格化して、輸出を制限していることにあります。

 世界的な環境問題の進展で、尿素の製造に欠かせない石炭の確保が難しくなり、尿素の製造量が減っていることが背景のようです。

 また、オーストラリアと中国の関係悪化で、中国がオーストラリアから石炭を十分に輸入できていないことも一因とされます。
 

 我が国としては、思わぬ物が戦略物資に相当することを認識する事態になったわけですが、こうした物が他にもないかどうか、リストアップをして、政府と民間とが協力して対策を講じる必要がありそうです。
 

 今回の件は、単に安いからといって中国からの輸入に頼ることの危険性を示す典型的な例です。

 やはり、中国経済へ依存は、我が国の安全保障を揺るがすと認識する必要があるのではないでしょうか。

 ※:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211222/k10013398791000.html