今年のノーベル平和賞に決まったロシア人とフィリピン人の二人のジャーナリストが授賞式に臨みました。
受賞にあたり、このお二人は、報道の自由の大切さを訴えるとともに、今後も言論弾圧と戦う姿勢をアピールしました。
この受賞に関する報道を見ると、マスコミ各社ともに総じてロシアとフィリピンの民主主義が危機にさらされているとする内容と共に紹介していました。
特に、退任が決まっているドゥテルテ大統領よりは、今後も権力の座に留まる可能性の高いプーチン大統領を批判的に報道する内容が多いように思えました。
こうした報道だけを見ているとロシアが報道の自由や言論の自由がない最悪の国家であるかのような印象を受けます。
しかし、ジェノサイドに関する報道などを見れば、本当の最悪の国家は中国と言えるのではないでしょか。
ロシアやフィリピンでは、確かに日本や欧米諸国に比べると多数の制約や理不尽と思われることが存在するのは事実ですが、それでも政権に批判的なジャーナリストや野党の存在が、まがいなりにも許されています。
一方、中国では政権に批判的なジャーナリストや政治勢力の存在は一切許されていません。
実際、中国で投獄されているジャーナリストの数は、世界で最も多く70人以上とされています。
その意味で、中国の状況は、ロシアやフィリピンよりも一段も二段も悪いと言えます。
ですから、報道の自由や言論の自由が無いことを批判する際は、中国を真っ先に取り上げなければならないはずです。
北京オリンピックに対する諸外国の政治的ボイコットの原因を考えれば、世界平和の実現は中国問題を避けては成し遂げられないと考えます。