12月
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2021/12/9【今こそ自助努力と勤勉さが不可欠であると訴え実行していくリーダーが必要】

 先般、岸田首相が初めての所信表明演説をされました。

 
 演説の内容は、まずはコロナ対策に力を入れ、次に看板の「新しい資本主義」の実現を目指すとともに、更には保守層への配慮からか安全保障政策にも注力するなどといったものでした。
 

 是非、自由・民主・信仰という価値観を共有する西側諸国の一員として、国政を進めて頂きたいと願っています。
 

 ただ、この演説の中で留意すべき部分がありました。

 それは、コロナ不況から脱するために、国民に対して勤勉に働くことを呼び掛ける文言が無かったことです。

 かつて日本人は、勤勉な国民性を持つとされ、二宮尊徳に代表されるように「自助努力の精神」が尊ばれてきました。

 しかし、最近では、リベラルな考え方のもと弱者切り捨てと関連付けられて、「自助努力の精神」や「勤勉な心」が「美徳」と評されなくなったばかりか、禁句のような風潮さえあります。

 長い間、先進国の中で日本だけが経済の低成長に苦しみ、そこにコロナ禍が重なり、今は日本中が閉塞感に沈んでいる状態です。

 こうした状態を抜け出すためには、自助努力と勤勉さを思い出すことが必要です。

 なぜならば、英国の産業革命による繁栄は、サミュエル・スマイルズの『セルフ・ヘルプ(自助論)』を中心とした自助論の精神によって英国民に勤勉な心が醸成されたことが要因だったからです。

 
 更には、日本の明治維新は、英国留学から帰国した中村正直がスマイルズの「自助論」を1868年(明治4年)「西国立志編」として翻訳し、国民の勤勉さを喚起し日本の近代化を実現させたからです。

 その冒頭に記された「『天はみずから助くるものを助く』(Heaven helps those who help themselves.)という格言は、人生論の真理として、今も日本人の心に刻まれています。

 つまり、「自助努力の精神」と「勤勉な心」は国を発展させる原動力なのです。

 しかし、近年の世論は、こうした精神が薄れていく傾向にあります。

 日本の繁栄を実現するためには、今こそ自助努力と勤勉さが不可欠であると訴え実行していくリーダーが必要であると考えます。