ウイグル自治区での強制労働によって生産された疑いのある綿製品を使用しない動きが欧米のアパレルメーカーを中心に広がっています。
最近でも、強制労働に関与している疑いがあるとして、フランスで現地の大手アパレルメーカーの店舗拡大計画が止められました。
一方、日本の大手アパレルメーカーも例外ではなく、強制労働によって生産された疑いを払拭する必要に迫られています。
過日、国内のある大手アパレルメーカーが、自社で使用する中国製の綿製品について、第三者による調査報告で人権侵害に繋がる取引はないことが分かったと発表しました。
しかし、中国政府がウイグル自治区内での自由な取材を認めていない以上、強制労働や奴隷労働が行われていないことを確認する手段は事実上ありません。
ですから、第三者による取引の調査を行ったとしても、それは形式的なものにしか過ぎないことが分かります。
中国は、全体主義、専制主義、一党独裁の政治体制ですが、中国政府の発表によれば「質の高い民主主義を実践している」ことになっています(※)。
しかし、中国が質の高い民主主義を実践していることなど、嘘であることは誰の目にも明らかです。
同じことが、「強制労働は行われていない」とする中国政府の発表に対しても言えるのではないでしょうか。
事実、ウイグル自治区から逃れてきた人々の証言がそれを物語っています。
こうした状況である以上、もはや中国の綿製品を安心して使うことはできないという声が高まっています。
中国が綿花の世界的な一大生産地であったとしても、日本国内のアパレルメーカーは段階的に中国との取引を止める方向で生産計画を立てる時に来ているのではないでしょうか。
※:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211204/k10013374721000.html