衆議院が解散し、事実上の選挙戦に突入しました。
各党が公約を明らかにする中、自民党の政策に目を引くものがありました。
それは、「対GDP比で防衛費2%を目指す」というものです。
今までは「1%」が事実上のシーリングとなっていますが、幸福実現党が予てからその必要性を訴えていたので、自民党の今更感は否めません。
ただ、防衛費の国際標準は2%程度ですから、中国の脅威を踏まえれば、至極当然な政策です。
防衛費を増大するにあたって、具体的に考えられる使途に、原子力潜水艦(原潜)の導入があります。
日本が既に保有する非原子力推進の潜水艦は、世界最高水準の性能を誇りますが、原潜に比べて、速力と潜行時間で大きく劣ります。
中国はその原潜を急速に増強しています。
非原子力推進艦でも、戦術によっては原潜に伍することは可能ですが、例えば逃げる原潜を非原子力推進艦で追うことは困難です。
ですから、日本の防衛上、原潜を保有することはたいへん重要です。
ただ、日本には原子力アレルギーがあり原潜の保有は簡単ではありません。
被ばく体験から「原潜=核兵器」といいうイメージの存在、福島の原発事故、そして過去日本が保有していた原子力船「むつ」の放射能漏れ事故などが、その原因として考えられます。
しかし、先ごろオーストラリアが原潜の保有を決めたことでブレイクスルーとなる可能性があります。
オーストラリアは、反原発の世論が少なくなく原発はありません。
また、当然ですが核兵器も保有していませんし、その予定もありません。
そのオーストラリアが中国の脅威を踏まえて、原潜の導入に踏み切りました。
日本は、オーストラリアと同じ海洋国家でもあり、同じく中国を脅威にさらされています。
原子力推進技術も「むつ」の時代よりも格段に進歩していますから、日本もオーストラリアを手本とする必要があるのではないでしょうか。