財務省の現役の事務次官が、コロナウィルスの経済対策にまつわる政策論争をバラマキと批判した論稿を月刊誌に寄稿し物議を醸しています(※)。
論稿では、定額給付金をばらまいても日本経済全体としては死蔵されるだけとし、その財源の議論も無いとしています。
そして、このままでは国家財政が破綻するか、国民に大きな負担がのしかかると訴えているとのことです。
これに対し、政府与党の中などから早速、事務次官を批判する声が上がっています。
しかし、事務次官が言っている内容は、概ね正しいように思えます。
なぜなら、過去に給付された現金は、貯蓄に回る割合が高かったうえに、商品券のような形での給付も、普段の買い物に利用して、浮いた分は結局貯蓄に回るという指摘もあるからです。
また、1,100兆円を超える国の債務は増える一方ですし、既存の政治家の言葉とは裏腹に、将来の大増税を懸念する声も少なくないです。
この問題の本質は、選挙対策と称したバラマキの常態化にあるのではないでしょうか。
選挙の都度に各党がバラマキ的な政策を競い合うように提示し、その結果が現在の債務残高となっているのです。
選挙で現金を配れば犯罪となりますが、公約という形で法律を作れば合法的にバラマキが可能になるということでもあります。
ですから私たち有権者は、目先の利益に目を奪われてはならないと思います。
来る総選挙では、私たち国民の見識がいよいよ問われています。
※:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211008/k10013298621000.html