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2021/10/01【日本の現実問題としての台湾防衛】

 中国で開催されている航空宇宙に関する展示会で、注目すべき航空機が展示されていました(※)。

 それは中国空軍の「J-16D」と言われる電子戦機です。

 電子戦機とは、現代の戦闘で要となるレーダーや通信ネットワークの妨害や攪乱を担う航空機のことです。

 自衛隊をはじめ世界各国でこうした機能を持った航空機は既に運用されていますが、その運用形態は、通常の戦闘機や攻撃機に必要に応じて電子戦用のポッドを携行した限定的なものであったり、専用の機体であっても多くは輸送機など大型の機体を改造したり、といったものが主流です。

 一方、J-16Dは電子戦専用の戦闘機型の機体であり、この種の機体は、米軍など一部の国しか保有していません。

 なぜ機動性の高い戦闘機型の機体であるかというと、それは敵地上空での活動を想定しているからです。

 中国の具体的な想定は明らかに台湾進攻作戦であり、その先には、尖閣諸島や沖縄なども想定している可能性があります。

 中国は、他にも空母、揚陸艦、長距離爆撃機など、侵攻を目的とした装備を続々と開発・配備しています。

 つまり、中国は武力による台湾進攻の準備を着実に整えているのです。

 
 台湾が中国に取られるということは、事実上の民主主義国家が1つ消滅するということだけでなく、シーレーンを押さえられ日本の喉元に武器を突きつけられるようなものです。

 日本は、自国の防衛力強化と共に、現実問題として台湾の防衛を考えなければならない時に来ているということです。

 ※:https://www.sankei.com/article/20210928-3AQR7HLWQBJY5DWQPGBVQ6QE3M/