日米豪印の枠組み「クアッド」の初めての対面での首脳会合が、来週、米国で開催されます。
軍事的な覇権拡大を続ける中国に対する包囲網を築く上で、このクアッドの枠組みは重要です。
ただ、完全な形で中国包囲網を築くためには、重要な国が抜けています。
それは、ロシアです。
バイデン大統領は、中国を競争相手と位置付けているものの、様々なチャンネルで対話を模索しています。
一方、ロシアに対しては、中国に対するほどの熱意が感じられず、相変わらず敵視政策を続けているように見えます。
そのためもあって、ロシアは中国寄りの外交を続けています。
しかし、日本としては、中露が組むことが死活的な脅威となります。
例えば、日米同盟がどう機能するかという観点はありますが、仮に日中が軍事的に衝突した場合、状況によっては、ロシアが隙を突いて侵攻してくることも考えられます。
そうなると、日本は両国を同時に相手にすることが困難なのは明らかです。
こうしたことは、既に中露両国は想定しているはずです。
一方、こうした危機感を持っている日本の政治家はいったい何人いるのでしょうか。
渦中の自民党総裁選の各候補者からはそうした発言は聞かれませんし、もちろん野党第一党の立民党からも聞こえてきません。
中国の覇権を阻止し、日本の安全保障のためには、ロシアを中国から引き剥がし、クアッドに引き入れる、もしくは「G8」の枠組みに引き戻す必要があります。
今こそ、こうした眼で世界情勢を俯瞰できる政治家が必要ではないでしょうか。