中国共産党政府は、先月から「共同富裕」という目標をアピールするようになっています。
これは、経済発展の恩恵を全ての国民に行き渡せること、つまり「格差是正」を謳っているものと思われます。
中国政府の発表を鵜呑みにすれば、「中国経済は世界2位の規模にまで発展しており、ミリオネアと呼ばれる100万ドル(約1億1千万円)以上の資産を持つ中国人は1億人近い」とも言われています。
一方で、昨年、李克強首相は、中国には月収1千元(約1万7千円)以下で暮らす国民が6億人いると暴露していました。
現在の中国は、建前上、共産主義を奉じており「平等な社会」のはずですが、実際は、共産主義の理想とは裏腹に、最も格差が大きい国の一つなのです。
いつもの中国共産党政府のやり方であれば、こうした負の側面は覆い隠すのですが、今は共同富裕を打ち出さざるを得ないほど、国民の不満が高まっていることを意味しています。
しかし、共産主義の行き着く先は、「皆が等しく裕福になる」のではなく、「皆が等しく貧しくなる」ということを知るべきです。
また、共産主義のもう一つの大きな間違いは、国民の生活よりも政府の発展が優先される経済原理であることです。
当然のことながら、共産主義は全体主義になりやすく、国家にとって国民の幸福が目的ではなく、国民は政府の意向を実現する手段として扱われます。
中国のいびつな政治体制は、共産党という一部の特権階級を維持するために、国民が存在しているにすぎません。
従って、中国を民主化しなければ、14億の国民が真に幸せになることはないことが分かります。