東京都に4回目となる緊急事態が宣言されることになりました。
これに関連して政府は、飲食店に対する営業時間の短縮や酒類提供の停止の必要性を改めて訴えるとともに、こうした短縮や停止の要請に協力しない店舗が増えている現状に懸念を示しました。
感染拡大の主たる原因が、飲食店での会食や酒類の提供であるならば、政府の要請は理解できます。
しかし、5月に政府が発表したクラスターの発生場所の分析では、全993件のうち、高齢者施設が237件、職場が191件、飲食店・カラオケが183件、学校が150件などとなっており、飲食店はカラオケ店を含めて全体の18%余りに留まっています。
にもかかわらず、営業内容に厳しい制限が掛けられているのは飲食店のみという現状に、関係者が不満を募らせているのは理解できる面があります。
こうした現状に対して、行政は協力金の事前支給を決めるとともに、従来から雇用調整助成金や家賃の助成などを通して支援を行っています。
ただ、これらの支援は事業を継続するための最低限のものでしかなく、店舗によっては支援額が通常の利益の数分の一という事業所も少なくありません。
しかし、利益の全てを行政が補てんすることなど現実的であろうはずがありません。
そう考えると、営業の自由を制限する全体主義のような施策をいつまでも続けるということは、民主主義の観点からも、財政の観点からも無理があるのではないでしょうか。