高齢者のワクチン接種が進み、64歳以下の人を対象とした優先接種を始めた自治体も増えてきました。
そうした中、障害者手帳のある中学生の子供を持つ親御さんから、「優先接種の案内が子供に届いたが、接種しようかしまいか迷っている」というお話を伺いました。
背景には、長期的な副反応への懸念があるようです。
政府は、現在流行しているウイルスの型に対して発症や重症化を防ぐ効果があるとのデータを示し、ワクチンの接種を勧めています。
一方で、通常の薬の承認プロセスとは異なり、短期間で開発・承認された今回のワクチンの長期的な悪影響については不明確であることも事実です。
実際、昨年パンデミックが顕在化した当初は、世間のワクチンに寄せる期待とは裏腹に、マスコミの多くが「ワクチンは1年や2年といった短期間では開発できない」という専門家の話を紹介していたのは記憶に新しいところです。
にもかかわらず、早期のワクチンの実用化に成功したのは関係者の努力と技術の進歩ということなのかもしれませんが、例えば、当初言われていたmRNAワクチンの抗体依存性感染増強(ADE)への懸念などは、なぜ払しょくされたのか、納得のいく説明は無いように思われます。
そう考えると、百歩譲って、高齢者が長期的な心配よりも目前の感染リスクを減らすためにワクチン接種を行うことは理解できるとしても、若年層の接種についての前述の親御さんの心配も、もっともなように思えます。
ワクチン接種を勧めるのであれば、こうした懸念を持つ人への説明責任があるのではないでしょうか。