日本共産党の幹部が、中国共産党結党100年のイベントに関し、「中国共産党には共産党を名乗る資格はない」と非難しました(※)。
その理由は、中国共産党は自由と民主主義を大切にしていないからということのようです。
中国による香港やウイグルなどでの弾圧を見れば、中国共産党を批判することは当然ですが、日本共産党が中国共産党を批判するのには違和感が残ります。
なぜならば、世界中を見渡しても、マルクス主義を奉じるほとんどの共産主義・社会主義政党は、自由や民主主義とかけ離れた国家運営を行ってきた歴史があるからです。
つまり、中国共産党はむしろ「共産党らしい政権」と言えます。
そう考えると、今回の日本共産党の幹部の言葉は、「共産党」に対する負のイメージを払拭して支持率を上げたいという思惑で発言したに過ぎない感じがします。
そもそもマルクス主義という根幹部分で、日本共産党と中国共産党は同じであるにもかかわらず、あたかも全く別の国家像を目指しているかのような発言は明らかにレトリックです。
実際、日本共産党の歴史を振り返ってみても、敵は中国というよりは、自由と民主主義の象徴である米国こそ敵であるとの認識であったように思われます。
ですから、日本共産党も、仮に選挙制民主主義の中で政権を取るようなことがあっても、現在の香港と同様に、選挙制度を有名無実化して事実上の独裁体制を敷くことが十分考えられます。
これこそが“共産党の本質”ではないでしょうか。
※http://www.sankei.com/article/20210701-2JF4UOUO25J63OVAWWZELMNKNA/