米国の連邦準備制度理事会の経済報告によれば、米国の景気は回復が加速しているものの、多くの地域で深刻な人手不足が起きているとのことです(※)。
米国でワクチンの接種が進んでいることが景気回復の要因と思われますが、景気が回復すれば当然、求人が増えます。
しかし、今回の人手不足は、単に雇用が増えているということだけではなく、国の手厚い失業保険があるため、「働こうとする人が増えない」ことが原因の一つである可能性があるとのことです。
コロナ禍という特殊な状況下では、通常の失業対策だけで労働者を十分に守ることはできない側面があることは理解できますが、今回の人手不足には「大きな政府」の弊害が表れているのではないでしょうか。
働くことは、生活の糧を得るという現実的な意味があると同時に、美徳でもあると考えます。
しかし、働けるにもかかわらず「働かなくても生活できるのならそれに越したことは無い」と考える人が少なからずいるのも現実です。
ですから、公的な社会保障はやむを得ない人を救うための最期の「セイフティーネット」という原則を堅持すべきと考えます。
ヨーロッパのことわざに「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉があります。
弱者を救済する姿勢は忘れてはなりませんが、だからと言ってバラマキを強化してしまえば、国は衰退してしまいます。
※:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210603/k10013065111000.html