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2021/06/01【バイデン政権の場当たり的な米軍運用の印象】

 近くアジアから米空母が不在となる可能性があると報じられています(※)。

 これは、アフガニスタンからの米軍撤退支援のために、横須賀を事実上の母港とする空母「ロナルド・レーガン」が、急遽、中東に派遣され、他の米空母のアジア回航も見込めず、一時的にではあるにせよ米軍の力の象徴である空母がアジアからいなくなるとのことのようです。
 

 有識者によれば、他の戦力の増強により空母不在の穴を埋めることは可能とされますが、米空母は1隻当たり戦闘攻撃機だけで約50機を搭載していますし、空母打撃群となると他の複数の海軍艦艇も含まれるので、それらの不在を完全に補完することは容易ではありません。
 

 アジアでは中国軍の増強の勢いは依然として衰えず、尖閣諸島周辺や台湾海峡での中国軍の動きは活発なままですから、米空母の不在が事実ならば、中国に優位なメッセージを送ることになりかねません。
 

 元を正せば、バイデン政権がアフガニスタンからの米軍撤退計画を急遽前倒したことが要因です。

 バイデン大統領の中国を念頭に置いたアジア重視の軍備発言とは裏腹の場当たり的な米軍運用の印象は拭えません。
 

 こうしたバイデン政権の対応を見るにつけ、我が国は日米同盟を抑止力の基軸としつつも、万一に備えて国土と国民の平和を守るために、自主防衛力を着実に強化する必要があることが分かります。

 ※:https://www.cnn.co.jp/world/35171522.html