4月
17

2021/04/17【なぜ“イギリス型”や“南アフリカ型”の呼称は容認されるのか】

 新型コロナウィルスは、世界的には「COVID-19」と呼ばれています。

 もともとウィルスは、最初に患者が発見されたり、最初に大規模な感染が発生したりした場所の地名から取るのが慣例でした。

 しかし、今回のウィルスは、地名を冠すると差別や偏見を助長する恐れがあるとして、WHOが地名とは関係のない名称を与えました。

 ただ、差別や偏見についての危惧はもっともなものですが、今回の場合、発生源や責任の所在を明確にしたくないという中国政府の意向が強く働いたことは間違いありません。

 一方で、流行の主流となりつつあるイギリスで最初に見つかった変異ウィルスは、「B.1.1.7株」や「20I/501Y」などという名称があるにもかかわらず、「イギリス型」と呼ばれるのをよく目にします。

 これは、「南アフリカ型」、「ブラジル型」なども同様です。

 これらの変異ウィルスは、感染力や重症化割合が高くなっているとされるので、同じように差別や偏見を誘発する恐れがあるはずです。

 にもかかわらず、少なくとも日本では、配慮がなされていない場合が見受けられます。

 もしも、「イギリス型」などという通称が許されるのであれば、中国政府の責任を明らかにするという意味で「中国ウィルス」、「武漢ウィルス」という名称もあってしかるべきではないでしょうか。

 欧米では、ここに来てアジア系の住民への差別が問題となっています。

 コロナ禍以前からの長年のアジア系への偏見があるにせよ、世界中で多くの人が苦しんでいるウィルスに対する中国政府の責任逃れの態度が少なからず影響しているのは明白です。

 先般のWHOによる武漢での調査結果の公平性などは、多くの人が認めていないのですから、中国政府は世界中の人々のために態度を改めるべきではないでしょうか。