米企業アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは、バイデン大統領が計画している法人税率の引き上げに賛成することを表明しました(※)。
一般に企業が法人増税に率先して賛成することはありません。
ベゾス氏は、日頃、課税逃れの疑いや従業員の処遇などで批判を浴びているので、そうした批判をかわす狙いがあるものと思われます。
ただ、寡占状態で巨額の利益を上げて経済的に体力のある大企業のトップが、いくら法人増税に賛成しようと、他の大部分の企業にとって法人増税は迷惑な話にかわりありません。
ですから、ベゾス氏には、他の企業を巻き込む法人増税により自らの利益を還元するのではなく、寄付や慈善事業などによって自らが率先して社会に還元するほうが正しい道ではないでしょうか。
なぜならば、これこそが「ノブレスオブリージュ」の精神だからです。
折しもG20財務相・中央銀行総裁会議で、法人税の共通最低税率の導入をめぐる議論が始まりました。
こうした税制は、企業の競争力を損なうだけでなく、各国の経済政策の自主性をも奪うことになりかねません。
増税で好景気になることはないので、特にコロナ禍で多くの企業が苦しんでいる今はなおのこと、増税を行うべきでないと考えます。
※:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210407/k10012960421000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001