ある大学の研究グループが、仏典を記憶させたAIが人間の悩みに答えるシステムを開発したとのことです(※)。
こうしたシステムの利用で、多くの人間の悩みが解決されるのであればメリットがありそうですが、結果はそうならないと考えます。
なぜならば、AIは一定の条件のもとでの画一的な答えしか示すことができません。
加えて、現代の仏教学は無霊魂説が主流となりつつあり、無神論・唯物論が蔓延する可能性が高いからです。
仏教は心の教えであり、同じ人間が二人といないように、同じ心も同じ悩みもありませんから、相手の機根に合わせた対機説法が必要です。
これが仏陀の教えには八万四千の法門があると言われる所以です。
AIの統計上導かれた答えを見て、これが仏教の教えなのだと勘違いされてしまっては、仏陀の深遠な教えが軽んじられるだけではなく、仏教の衰退を招くことになりかねません。
※:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210327/k10012938991000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_001