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2021/03/11【国連が健康被害の可能性が低いことを認めたのであれば】

 本日3月11日で東日本大震災から10年を迎えました。

 
 犠牲となられました方々に対し、心よりの哀悼の意を表するとともに、ご遺族の方々に心よりお悔やみ申し上げます。

 そして、被災された多くの方々に衷心よりお見舞い申し上げます。

 
 震災から10年、今なお避難生活を余儀なくされている方々もおられます。

 こうした中、国連の放射線影響科学委員会(UNSCEAR)は、福島第一原発の事故について「放射線に関連した将来的な健康影響が認められる可能性は低い」とする報告書を公表しました(※)。
 

 UNSCEARは同様の結論を、既に2013年の時点で公表していましたが、当時は得られた情報が限られているとして調査を継続していたものです。

 今回の報告書では、当時の報告書で言及された一部の被ばく水準が過大評価されていたことを認めており、福島の事故で被ばくを直接の原因とする健康被害が識別可能な水準で確認されることは考えにくいとしています。
 

 福島の事故での避難を巡っては、科学的に健康に影響が出る放射線量に比して、必要のないエリアまで避難指示が出たのではないかとの指摘が予てからありました。

 当時は、各地の放射量が不明な部分もあり、安全マージンを大きく取った避難指示が出たとしても仕方がない面もあります。

 しかし、避難はあくまでも健康に害が生じる可能性があるとしてなされたものであるはずです。
 

 だとすると、今回の報告書は、改めて当時の避難指示、あるいは現在も続く避難が適切なのかという問いを突きつけているのではないでしょうか。

 福島の多くの地域で、実は「放射線の影響は実際上無い」と分かれば、多くの人の苦しみが少しでも減るはずです。

 ※:https://this.kiji.is/741979042714796032?c=39546741839462401