中国の卸売物価指数(WPI)が約一年ぶりに上昇したとのことです(※)。
専門家によれば、コロナ禍による経済低迷から回復が進んだことと、鉄鉱石など国際商品価格の上昇が影響しているとのことです。
ただし、中国当局が発表する統計値には信憑性がないというのが世界の常識です。
今回の数値も、中国国内でインフレが進み、その実態が隠し切れずWPIの上昇となって表れた疑いがあります。
実際、中国国内では昨年、大雨による大規模な洪水が発生し、数千万人とも1億人近いとも言われる人々が被害を受けたとされ、農業や工業生産にも甚大な影響が及んだと見られます。
しかし、被害地域の陣頭指揮のために北京政府の幹部を派遣せざるを得ない状況だったことからも分かるように、その実態は伏せられたままです。
また、物不足により現地では豚肉の価格が3倍になったとも言われ、人々の不満は想像以上に高まっていますが、コロナ禍を理由に当局はその不満を強制的に抑え込んでいます。
世界は、コロナ禍による経済低迷からの脱却のために、中国経済に期待する向きもありますが、中国経済の実態は想像以上に悪い可能性があります。
ですから、安易に中国経済に依存してはなりません。
そもそも、香港やウイグルなどでの人権侵害を考えれば、その是正を問わずに中国との貿易関係を今までと同様に続けることは、道義的にも筋が通らないのではないでしょうか。
※:https://www.sankei.com/economy/news/210210/ecn2102100019-n1.html