バイデン政権の外交姿勢が徐々に見えてきました。
中国を最大の競争相手とし、この点ではトランプ政権を継承しているように見えます。
その一方で、ロシアと強硬に対峙する姿勢を復活させました。
米国では、保守のネオコンと呼ばれる人々はロシアに対し根強い警戒感を持っていますが、リベラルのバイデン政権も冷戦に逆戻りするかのような印象です。
米国は、未だに世界最強の軍事力を有しているものの、中国の軍事力が急速に増強される中で、中露両国を一度に相手にするのは容易ではありません。
トランプ前大統領は、ロシアとの関係改善を模索していましたが、米露関係の改善は、実はロシアにとっても国益に合致するものでした。
もしも、米露関係が改善に向かっていれば、米露が協調して中国に圧力を加えることが可能となり、日豪印などと協力して圧力を加える以上に強力な外交カードになっていたことは明白です。
しかし、バイデン政権では、逆に中露の結び付きを強めるような動きを始めています。
日本では、バイデン政権になって世界は対立ではなく融和に向かうと期待する見方がありますが、このままでは、中露が連携して米国と対峙する可能性が出てきました。
そして、両者が対峙する地域にあるのが日本です。
今後、日本周辺の緊張が一層高まる可能性があります。
バイデン大統領が日本に災いを呼び込む疫病神にならないよう、日本として今まで以上に主体的な外交が必要となりそうです。