パナソニックが太陽電池の生産から撤退するとのことです(※)。
ソーラーパネルなどに使われる太陽電池は、かつては日本メーカーが性能の高さを売りに世界シェアの上位を占めていましたが、現在は中国メーカーがシェアの大部分を占めています。
背景には、中国メーカーの性能が相対的に高まったことと、桁違いの大量生産による価格の安さがあります。
今後、脱炭素社会への取り組みが進展すれば、太陽光発電への依存度がますます高まると考えられます。
しかし、このまま日本メーカーが太陽電池の生産から次々に撤退すれば、エネルギー供給の基幹部品を中国に依存することになりかねません。
太陽電池に使用される太陽発電素子そのものは劣化しないものの、太陽光発電システム全体でみると定期的な設備交換は必要です。
そうなると、一見、太陽光発電は我が国のエネルギー自給率の向上に寄与するように見えますが、新設だけではなく維持の際も中国の存在感が高まる可能性があります。
現在、再生可能エネルギーは、諸手をあげて歓迎される傾向にあります。
しかし、エネルギー安全保障の観点からの戦略的な取り組みが必要です。
※:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210131/k10012842161000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_003