新潟県は、柏崎刈羽原発の安全性を議論する県の技術委員会の委員14人のうちの一部を、高齢などを理由に再任しないこと(※)を、地元紙などが批判的に報じています。
県は、概ね70歳以上の高齢者の任命は極力避けるとした規定に従ったと説明していますが、再稼働に反対する地元紙は、表向きには「議論の継続性が損なわれる」と批判しています。
しかし、再任されない委員の中に再稼働阻止を目的としているかのような厳しい意見を持つ人物がいることから、実際には技術委員会の議論が再稼働容認に振れることを危惧して、県の対応を批判していることは明白です。
ただ、本来、技術委員会は選挙で選ばれた訳でもないので、第三者の立場からニュートラルな姿勢で安全性を議論することが大切ですから、あまりに偏った考えを持つ人物はそもそも不適格なはずです。
ですから、再稼働に反対という自らの立場に都合の良い委員が再任されないからと言って、県の対応を批判するのは筋違いのように思われます。
もっとも、原発の再稼働については、単に電力会社の経済性の問題だけではなく、安全保障を左右する問題でもあるので、一自治体の意向により国全体が危機にさらされるような事態があってはなりません。
よって、地元の意向も全く無視するわけにはいかないものの、安全性が確認された原発は、国が責任を持って再稼働させることも考慮すべきと考えます。
※:https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20210119/1030015434.html