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2020/10/01【福島の事故を教訓に世界一安全な原発を】

 福島第一原発の事故をめぐる集団訴訟で、2審で初めて仙台高裁が国の責任を認める判決を言い渡しました。

 「避難指示が適切だったのか」などといったそもそもの議論はあるものの、損害を被った方々に適切な補償をすることは当然です。
 

 一方で、福島第一原発の事故を例にとって、「原発の安全性に“絶対”はないので、原発は廃止すべきだ」と考える方もおられます。

 こうした考えに基づく反原発マスコミなどは、今回の判決を好意的に受け止めています。
 

 ただ、今回の判決では「東日本大震災の津波を予見できた可能性」と「その予見に基づけば事故を回避できた可能性がある」ことを認めています。

 よって、当時の技術力であっても適切な対策を講じていれば福島の原発事故は起こらなかった可能性があるということです。

 つまり、「福島の事故をもって原発はどんなことをしても安全ではない」という根拠とすることには、必ずしもならないということになります。
 

 海外の情勢や気象条件に左右されず安定的に発電できる原発は、資源小国である我が国にとって、エネルギー安全保障上、手放してはならない電源です。
 

 ですから、福島の事故を教訓に原発を廃止するのではなく、福島の事故を教訓に世界一安全な原発を作ることこそ、我が国に課せられた役目なのではないでしょうか。