毎年8月になると、先の大戦を振り返るテレビ番組が増えます。
30年ほど前は、敗戦で自信を失っていた日本に対して「日本は勇敢に戦ったのだ」という内容の番組もあったように記憶していますが、現在では、「戦争は悲惨で理不尽なので二度と起こしてはならない」ということを強調する内容になっています。
確かに先の大戦では、意に反して戦地に送られたり、戦火の巻き添えになったり、無念の死を遂げられた方々が多数おられたことは事実ですし、生き残った方々も大変な悲しみとご苦労があったことを思うと胸が痛みます。
その意味で、戦争は起こすべきではないと思います。
ただ、戦争は相手がある話です。
相手が侵略の意図を持っていたり、版図拡大の野心を持っていたりした場合、いくら話し合いによる解決を試みたところで、それは相手の悪を増長させることにしかならない場合もあるのです。
実際、各国の融和政策がナチスドイツの台頭を許した歴史的事実があります。
「ヒトラーでさえ、防衛を掲げて戦争を行ったので、戦争に侵略も防衛もない」と言う意見もありますが、では、欧州戦線で米国や英国が戦っていなかったら、一体どうなっていたか考えるべきではないでしょうか。
ですから、「戦争は起こすべきではない」という考えを根付かせる努力はある程度理解できるものの、一方で、国民から「いざとなったら自分の国は自分達で守る」という気概までは奪ってはならないと考えます。
そうした気概が失われれば、我が国から自由・民主・信仰の価値観が失われ、監獄の中のような奴隷の平和しか訪れないということを理解すべきではないでしょうか。