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2020/08/16【“命を懸けて尊いもののために戦う”ということ】

 長崎の原爆の日に合わせて、イギリスの作家カズオ・イシグロ氏がメッセージを寄せました。
 

 その中でイシグロ氏は、「人間の命こそが至上の価値を持つ」と訴えました。

 母親が長崎で被爆したイシグロ氏は、原爆の悲惨さを訴えるために命の尊さを強調したかったのではないでしょうか。
 

 ただ、左翼マスコミを中心にイシグロ氏のこの言葉をこぞって取り上げていましたが、間違った方向に解釈されないか心配になりました。

 

 間違った方向とは、「他のどんなことよりも自らの生命を守ることが優先されるべき」という考えです。
 

 香港では、「自由・民主・信仰」という人間にとって大切な価値観を中国共産党から守るために若者たちが命懸けで戦っています。

 これに対し、「人間の命こそが至上の価値を持つ」と考える人は、香港の若者たちの行動を愚かだと思うのでしょうか。

 「生きていれば希望があるから、今は中国共産党の指示には従うべきだ」と諭すのでしょうか。

 歴史を振り返ってみても、ソクラテスが毒杯を仰がなければ、イエスが進んで十字架に掛からなければ、後世の歴史にその偉業は遺らなかったことは明白です。

 もちろん命は尊いものですが、その命を懸けて、尊いもののために戦うこともあり得るのだということを知らねばなりません。