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2020/07/22【この状況で最低賃金のアップはどうなの!?】

 今年度の最低賃金を議論する厚労省の審議会は、労使間の隔たりが大きく紛糾しました。

 コロナ禍で業績が低迷する企業側は賃金アップを容認できませんし、一方の労働者側はコロナ禍であるからこそ生活を守るために賃金アップが必要ということでしょう。

 どちらの主張も理解できる部分はあります
 

 しかし、政府が示す最低賃金が実際の賃金になっている企業が少なくない中、そうした企業の多くが、持続化給付金、雇用調整助成金、実質無利子無担保融資制度などを利用している現状では賃金アップは無理な話です。

 「でも、企業は内部留保をがっぽり貯めているではないか」という声もあります。

 しかし、そもそも中小企業で十分な内部留保を貯めている会社は多くないうえに、不況を乗り越えるには内部留保の大きさが企業存続の鍵を握ります。

 今の政府のコロナ対策を見る限り、企業は「恐慌」も想定した備えをすべきですので、企業の体力を奪うような強制的な賃金のアップは無理だと考えます。
 

 そもそも、賃金を政府が主導するのはおかしな話です。

 なぜならば、賃金は経済状況を反映するので、経済が回復軌道に乗り好況になれば、労働市場に任せておいても上昇するものだからです。