政府は特別定額給付金を速やかに支給できるなどとして、全ての金融機関の口座とマイナンバーを結びつけることを検討しています。
ここで腑に落ちないのは、“全ての”口座という点です。
1人で複数の口座を持っている人は多いと思いますが、給付金を支給するだけならば1つの口座で事足りるので、なぜ全ての口座と結びつける必要があるのか、納得のいく説明はなされていません。
あたかも、コロナ禍を利用してマイナンバー制度導入の促進を図っているようにも見えます。
ゆくゆくは、国民の財布の中身を全て把握して、新たな税制度の導入を目指す思惑が見え隠れします。
マイナンバーと口座の関連付けに関しては、共産党なども反対していますが、国民の資産状況をあらわにすることは、預金残高に対して一定割合で課税する「貯蓄税」や、死んだ人から一定の税金を徴収する「死亡消費税」などの導入が容易になることから、共産主義的な考え方と親和性があります。
ですから、共産党による反対は、現政権に対する「批判のための批判」とも言えなくはありません。
いずれにせよ、銀行口座など個人の資産は、政府に管理してもらわなくても個人で適切に管理すれば済む問題です。
中国のような個人の自由を制限する監視社会に繋がる動きに対しては、厳に警戒しなければならないと考えます。