尖閣諸島周辺の有事を想定した場合、ある専門家は、自衛隊よりも中国軍の軍事力が優位とする分析をしています。
特に、ミサイルの射程距離と数で、中国が日本を圧倒しているとされます。
例えば、中国軍の艦対艦ミサイルの射程は、自衛隊の艦対艦ミサイルの2倍以上とされるものがあります。
また、中国軍の艦対空ミサイルの射程は、自衛隊の空対艦ミサイルの射程よりも長いものがあります。
ですから、単純に考えれば、自衛隊の水上艦や航空機は、中国艦の射程外から攻撃することができないことになります。
もっとも、いくら兵器の射程が長くても、目標を遠距離で補足する能力や、目標による欺瞞(ぎまん)に惑わされない能力、それに、目標の防御システムを切り抜ける能力はそれぞれ別の話です。
よって、軍事的な優位性は、ミサイルの射程距離と数で決まる訳ではありません。
しかし、勝敗を左右する重要な要素の一つであることは事実です。
日本は、中国軍の急速な進歩に手をこまねいていた訳ではありませんが、その進歩のスピードに追い付いていない印象があります。
対艦ミサイルの高速・長射程化を急ぐとともに、新鋭艦以外の個艦防御システムを刷新する必要があるのではないでしょうか。