先日、福島県警のヘリコプターが不時着する事故が発生し、乗員7人全員が重軽傷を負いました。
当該機は、横転し、メインローターが吹き飛び、テールブームも分離しており、いわゆる「大破」に近い状況でした。
この事故に関し、発生直後の詳細状況が判明しない時点では、一時「墜落」と報じるマスコミがありましたが、現時点では「不時着」ということで概ね統一されています。
一方、思い出されるのが2016年12月に、沖縄県の海岸で米海兵隊のオスプレイが不時着(水)した事故です。
当該機は、事故直後には部品の脱落が見られたものの、機体原型をとどめており、機体も水平の状態でした。
また、乗員5名のうち2名が負傷したとの報道でした。
よって、この事故の政府の公式見解は「不時着水」でした。
しかし、後に沖縄県警が事故を「墜落」として扱うことを決めたものの、実は事故直後から地元マスコミを中心に「墜落」というセンセーショナルな言葉が躍っていました。
今回の福島県警での事故も、そうしたマスコミは「墜落」と報道すると思いきや、結局「不時着」で落ち着いています。
これらのことから、情報を受け取る国民にとって懸念されるのは、マスコミによる印象操作です。
マスコミの役割の中には民主主義を担保する機能がありますが、万一、報道する側に一定方向に世論を誘導したいという思惑があった場合には、本来の機能を果たしているとは言えません。
よって、国民としても、時にはマスコミ情報の正しさを検証する姿勢を持たなければならないと考えます。