中国政府は、新型肺炎の対策として27日から団体旅行を中止しています。
日本でも訪日する中国人が減少し、観光業を中心に影響が広がっています。
個人旅行客を含め、日本への旅行を中止した中国人の内、団体旅行客は全体の3割程度と見られています。
これまでの中国人訪日客の旅行支出の総額は年間1兆7千億円以上と試算されていますので、これが減少することは日本経済にとって大きな影響があります。
今回の措置は、感染拡大阻止のためのやむを得ない対応といえますが、通常は、中国政府は自国の観光客を外交カードとして利用してきました。
例えば、台湾と外交関係がある国に対し、中国政府は自国観光客の制限をちらつかせて台湾との断交を迫っているとの指摘があります。
今回、図らずも中国人訪日客に依存することの危うさが浮き彫りになりました。
このままでは、近い将来に中国が尖閣諸島などで一層強硬な姿勢に転じた場合、財布の紐の一部を握られた日本は、中国に対し毅然とした態度を貫くことができなくなる恐れがあります。
新型肺炎にまつわる今回の件も、過度な中国依存を見直す機会とすべきではないでしょうか。