電気自動車(EV)が日本でも普及しつつあります。
購入の際、充電時の電気料金を抑えるために、「深夜電力」の契約を提案されると聞きます。
深夜電力とは、一般に需要の少ない夜間の料金を割安に設定する代わりに、日中の料金を割高に設定した電力契約のことです。
日中にEVを走らせ、夜間は充電するという多くの利用者にとって、うってつけの電力契約といえます。
実は、もともとこの深夜電力は、原発の稼働を前提として設定されたものなのです。
国内の電力需要は、日中は多く、夜間は少なくなります。
しかし、原発は一日の需要に合わせて、きめ細かく出力の増減ができないため、夜間の余った電力を有効に活用するために作られたものです。
現在、日本のエネルギーバランスは、原発は1割に満たず、約8割を火力発電が担っています。
火力発電は原発に比べて出力の調整が容易であるにもかかわらず、家庭用蓄電池の普及と相まって、夜間の需要がどんどん増えれば、余剰電力の有効活用という説得力がますます薄れてしまいます。
ここにも原発が再稼働できないことの不合理が表れているのではないでしょうか。