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2019/10/17【科学万能に対するアンチ・テーゼ】

 先日ノーベル化学賞を受賞された吉野彰さんが記者会見で述べたある言葉が印象に残ります。

 それは、「人類が理解できているのは自然のわずか1%や2%程だ」という言葉です。
 

 ともすれば、「科学で証明できない事象は迷信である」とか、「科学的でないものは公の場で扱ってはならない」などと考える「科学万能」の風潮に対して、科学者自らが示したアンチ・テーゼではないでしょうか。

 もちろん、再現可能であることを主体とする科学的な態度は大切ですが、自然界の多くの部分が未解明であるという前提に立って物事を謙虚に受け入れる姿勢こそ真に科学的な態度だと思いました。

 
 ノーベル賞を受賞した方の言葉から、「科学的」という言葉の意味を改めて考えました。