ラグビーワールドカップの開会式で、航空自衛隊のブルーインパルスが展示飛行を行い大会に花を添えました。
このブルーインパルスで使われている機体は「T-4」と呼ばれる練習機で、エンジンを含め日本で独自開発したものです。
T-4は、初飛行から30年以上が経過し、いくら高性能の機体といっても、後継機についての検討を始める時期に来ています。
しかし、防衛省からは今後の方針についての具体的な発表はまだありません。
ここで、海外に目を転じてみると、日本で言うところの高等練習機に相当する機体が次々と誕生しています。
例えば、米軍は新たな練習機として、新機軸を盛り込んだボーイング「T-X」を300機以上調達する計画を明らかにしていますし、台湾もこのほど自国で開発した戦闘機を基にして開発した新型の練習機をお披露目しています。
ここで、日本が外国から調達することを考えてみます。
まず、台湾から次期練習機を導入することは日台関係の強化のための妙案かもしれませんが、日本や台湾を取り巻く情勢を考えた場合、まずは考えにくい選択肢です。
一方、米国が次期練習機の導入に向けてT-Xを採用するよう圧力を掛けてくることは十分考えられます。
日本は、現有のF-2戦闘機の後継機の開発を国産主導で行うとしており、そこにリソースを集中する意味でもT-Xの導入は現実的かもしれません。
ただ、国内の航空産業の維持・発展のためには、次期練習機も国産とすべきという考えもあります。
いずれにせよ、予算規模が大きい案件だけに、今後、国内の航空産業の育成と安全保障の強化という両面で検討しなければならない課題と言えそうです。