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2019/09/22【厚生年金加入義務拡大が与える影響は無視できない】

 厚生年金の加入要件について、事業所の規模を撤回する方向で政府の議論が進んでいます。

 具体的には、パートなど短時間労働者への厚生年金加入義務を拡大するために、現在「従業員501人以上」となっている要件を撤廃するというものです。

 現在、500人以下の規模であっても、年間130万円以上の所得があれば加入しなければなりませんが、仮に現在の水準で計算すると、130万円ギリギリで働いている人が支払う厚生年金保険料は年間約12万円程度(※1)となります。

 いくら、将来への備えといっても、それだけ手取りが減れば家計への打撃は相当なものです。

 しかも、現在の制度は企業と個人が折半で負担することになっているので、企業側にも同額の負担が生じることになります。

 10月からは、最低賃金も全国平均で27円上がります。

 年収が130万円程度となる週30時間労働で計算すると、年間4万円程度の増額(※2)となります。
 

 つまり、厚生年金の加入義務拡大(支出増※1)は、最低賃金の上昇(収入増※2)よりもはるかに大きな負担となる訳です。

 
 一方の企業側には、厚生年金の支払い(※1)と賃金の支払い増(※2)の両方が加算されます。

 

 今回のような厚生年金加入義務の拡大が与える影響は無視できません。

 こうした年金制度そのものの見直しが急務です。

 はやり、消費増税も実施している場合ではないのではないでしょうか。