沖縄県の石垣島市議会は、NHKの朝の情報番組で事実と異なる内容が放送されたとして、NHKに対して抗議をしました。
現在、石垣島では陸上自衛隊の配備計画が進められていますが、この番組では、陸上自衛隊の配備予定地が、島の水道水の8割を供給する水源に位置するとし、ある小川で住民が農業用水や催事に使用している様子を紹介していました。
しかし、実際には、その小川は水道水には利用されておらず、番組スタッフもその事実を認識していたとのことです。
そもそも水源という地域には明確な線引きが無い上に、配備予定地が水道水の取水口の直接的な上流に位置している訳ではないようです。
自衛隊配備の反対する口実にも使われている〝水源問題″を取り上げて、沖縄本島の米軍施設の跡地で基準を上回る有害物質が発見させたことを引き合いに出して、あたかも水源が汚染される懸念があるかのような伝え方でした。
この他にも、番組では、自衛隊の配備や海上保安庁の増強の理由を詳しく説明することはせず、むしろ台湾漁船の脅威を強調していました。
「自衛隊はいらない。怖いのは台湾のほう」と、まるでどこかの国の宣伝工作のような印象です。
このように、この日の番組の全体的な印象は、自衛隊配備に反対する側の立場を後押しする内容でした。
今回の自衛隊の配備計画は、市長選などを通じて容認する民意が示されています。
それに反して、朝の生活情報を中心とした番組で取り上げて、特定のイデオロギーに偏った内容で世論を一定方向に導こうとする姿勢は、公共放送として如何なものでしょうか。