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2019/09/18【有事の際の原発の存在意義】

 サウジアラビアの石油関連施設が攻撃された件で、日本でも原油価格の高騰や原油の不足が懸念されています。

 
 丁度、千葉県での台風被害による停電が大きな問題となっていることもあり、火力発電への影響を懸念する声があります。
 

 確かに、現在の我が国の発電量の8割近くを占める火力発電では、石油も燃料として使用しています。

 しかし、その割合は全体の5%以下なので、発電への直接的な影響は大きくなさそうです。

 
 それよりも、ガソリンなどの輸送用機械や産業機械の燃料への影響や、化学製品の原材料への影響が懸念されます。

 現在の我が国の石油備蓄は230日と言われている中で、調達先の中東依存度を下げる努力をしていますが、依然として8割以上を中東からの輸入に頼っています。

 万一、今回の攻撃が中東全体を巻き込んだ武力衝突に発展し、中東からの原油調達が困難な状況となった場合に備えて、少しでも原油の消費を抑えるために原発再稼動の前倒しを視野に入れるべきではないでしょうか。

 LNG(液化天然ガス)の輸入先も2~3割を中東が占めます。

 LNGによる火力発電は、全体の40%近くを占めている訳ですから、有事の際の電源の多様化という意味で、より一層、原発の重要性がクローズアップされるのではないでしょうか。