先日、公的年金の財政検証結果が公表されました。
その中の試算に、中小企業のパート労働者の厚生年金への加入要件の拡大がありました。
これは、現在、厚生年金の加入義務が、「正社員が501人以上の企業で働く月8万8千円以上の収入を得ている従業員」などとなっているものを、企業規模の要件を廃止した上で「収入の基準を月5万8千円以上」に引き下げたものです。
こうすることで、将来の年金給付水準を少しでも維持したいという政府の思惑が見て取れます。
しかし、厚生年金の掛け金は、現在、企業と労働者が折半で納めることになっているので、仮にパート労働者に対して加入要件が拡大されれば、企業側の負担も増えることになります。
今年も最低賃金が上昇することが確定しています。
その上、厚生年金の加入要件拡大で企業の負担が増えるのであれば、中小企業の経営は一層厳しくなります。
中小企業に負担を強いるのであれば、景気拡大を促し、企業の売り上げが順調に増える仕組みを作るべきではないでしょうか。
そのためには、まず10月に実施予定の消費増税を撤回すべきと考えます。
さもなければ、日本の中小企業の体力はますます衰えることになります。