公的年金の財政検証の結果が公表されました。
その中で、経済が順調に成長すれば現在の給付水準を維持できるとする一方で、経済がマイナス成長なら給付水準は落ち込むという、ある意味、当たり前の試算が示されました。
別の見方をすれば、現在の年金制度は、「多少の給付水準の減額はあるものの持続可能なので安心してほしい」ということを国民に示したいように見えます。
確かに、現在の年金制度は今すぐ破綻する訳ではないのかもしれません。
しかし、少ない現役世代で、多くの高齢者を支えるという現状を根本的に変えない限り、遅かれ早かれ破綻は訪れるので、今回の検証結果は問題を先送りすることを示したに過ぎません。
今後、年金保険料を値上げしたり、支給開始年齢を引き上げたり、あるいは支給額が減額されたりするようなことが繰り返されるのであれば、やはり、公的年金制度の破綻処理を視野に入れて検討しなければならないと考えます。
その上で、積み立て方式の年金制度を導入するなど、抜本的改革が必要に思えます。