G7の議長国フランスのマクロン大統領は、ブラジルのアマゾンで続発する森林火災について、最優先で議論する必要があるとしています。
確かに、アマゾンの森林は温室効果ガスである大気中の二酸化炭素を吸収する主要な役割があります。
ですから、環境問題に関心が高いヨーロッパ諸国は、アマゾンの森林火災対策が最優先課題と見ているのでしょう。
ただ、温暖化については様々な見解があります。
未だに「大気中の二酸化炭素濃度の増加で温暖化が進む」とする専門家もいますし、反対に「今後、地球は寒冷化に向かうので、むしろ温室効果ガスが増えたほうがいい」という人もいます。
今、こうした不確定要素の多い環境問題を、G7の最優先課題と位置付けることは、トランプ大統領でなくとも、疑問に感じるのも頷けます。
優先度の高い課題は他にいくつもあるからです。
もちろんアマゾンの森林火災についての議論はあってもいいと思いますが、アマゾンの火災はブラジルの経済発展が密接に関わっています。
つまり「開発による環境問題」を議論するのであれば、世界各地で無秩序な開発を促進するような中国の一帯一路構想にも、G7として釘を刺しておく必要があるのではないでしょうか。