フランスで開かれるG7サミットは、首脳宣言が採択されない見通しであるとか、トランプ大統領が時間の無駄と漏らしたなどと伝えられ、異例の様相を呈しています。
これは、トランプ大統領と他の首脳たちの間で意見の隔たりが大きいためです。
その意見の隔たりが大きい事柄の1つにロシアのG8復帰があります。
トランプ大統領は、多くの問題がロシアと関わりがあるので、ロシアが入っている方が適切であると述べていますが、他の国はクリミア問題が解決されない限り復帰は認められないとしています。
しかし、ロシアがもともと自国領であったクリミアを手放すことは考えられないので、このままでは、いつまで経ってもロシアの復帰は無いことになります。
これでは、ロシアは中国にすり寄るしかないという態度を強くしてしまいます。
しかし、ロシアをG7側に引き入れることは、世界の平和と安定にとって極めて大切です。
G7は、もともと価値観を共有する国同士の集まりですが、ロシアは曲がりなりにも「自由・民主・信仰」の価値観を尊重していることが、中国とは決定的に違っています。
ですから、クリミア問題に固執しすぎるのではなく、どうしたらロシアをG8に復帰させることができるのか、今回のG7サミットで少なくとも条件を示してほしいものです。
そのために、安倍首相にはトランプ大統領を支持した上で、トランプ大統領との間に立って各国首脳を説得すべきではないでしょうか。