今年度の国家公務員の給与と賞与を、昨年度に引き続き引き上げるよう人事院が勧告しました。
給与と賞与は、ともに6年連続の引き上げとのことです。
国家公務員は、我が国のかじ取りを担っている大切な仕事ですが、その仕事内容に見合った報酬がどうあるべきか、よく話題にされます。
今回の勧告も、民間との給与格差が出ないようにするための措置とのことです。
ただ、中小零細企業の状況を聞く限りでは、6年連続で給与が上がっている事業所はそう多くは無いようですから、国家公務員の賃金上昇と民間の賃金上昇の事態にはかい離があるように感じます。
それはそのはずで、人事院の勧告の対象となる民間企業は大企業だからです。
しかし、これでは国家公務員が大企業ばかりを対象に仕事をしているようにも見えてしまいます。
しかも、国家公務員の仕事や成果が一定であっても、民間企業の頑張り次第で、給与が自動的に上がるというのも納得しがたいものがあります。
であるならば、かねてから言われているように「国家公務員の給与をGDPに連動させる」ことを検討してもよいのではないでしょうか。
実際、許認可行政が民間事業の遅れを生じさせ、GDPを押し下げているとの指摘がありますから、GDPと連動させれば行政の効率が高まることが期待できます。
こうした考え方は、なにも公務員給与を下げろと言っている訳ではありません。
民間の活力を引き出し、国力を増進する政策を次々に施行し、国民を繁栄に導くのであれば、公務員の給与が民間平均よりも高くても文句を言う人はいないはずです。
あくまでも「主役は民間」ということを忘れてはならないということです。