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2019/08/07【イスラエルの核をどう考えるか】

 8月6日は広島で原爆が投下されてから74年となる日です。

 各種報道を見ると、今年は広島市民の核廃絶の願いとは逆行する世界の動きが目立つとされます。

 具体的には、米露が締結した中距離核ミサイル全廃条約(INF)が失効したこと、北朝鮮の核放棄の目途が立っていないこと、イランの核合意が崩壊の危機にあることを挙げています。

 この他にも、中国による核戦力の強化、印パによる核開発競争も大きな懸念材料です。

 一方で、いつも不問に処されるのがイスラエルによる核保有です。

 イスラエル政府は公式には核兵器の保有について否定も肯定もしていませんが、国際的には事実上の核保有国と見なされています。

 周囲を敵性国家に囲まれた小国イスラエルにとっては、核兵器を保有しなければ安全を保障できないという考えがあるからです。

しかし、過剰とも言えるイスラエルの軍備は、すんなりとは受け入れがたいものがあります。

イランの核開発疑惑は、このイスラエルの核の存在が引き金になっているとされますし、実際に核保有には至っていないものの、イスラエルの核に対抗するためシリアやイラクも核開発に着手した歴史があります。

 圧倒的な軍事力で平和を確保するというイスラエルの考え方は理解できない訳ではありませんが、力を背景に入植地を拡大し続けているイスラエルの核保有が、他の中東諸国の人々に不安を与えていることは間違いありません。

 
 中東の核開発問題を解決する為には、国際社会が「イスラエルだけに核保有を認めて、他のアラブ諸国の核保有は認めないのはなぜか」という問いに答えなければなりません。

 この時期が近づいてきています。