かねてより新型の核兵器開発を進めるトランプ政権が、内外のマスコミから批判にさらされています。
特に、威力を弱めた核弾頭の開発は、核兵器が通常兵器の延長と位置付けられ、その使用基準が引き下げられるのではないかと懸念されています。
ただ、超小型の核弾頭や、威力が限定的な核弾頭の開発は、既に旧ソ連時代から行われているとされ、スーツケースに収納できる核弾頭の存在もささやかれています。
もちろん、こうした核開発は当然、中国も行っていると推測されます。
ですから、こうした脅威に対抗するために、核兵器の近代化を進めるトランプ政権の方針は理解できるものです。
つまり、核の均衡のために必要な措置と考えられます。
核兵器の廃絶を目指すという全世界の動きは当然進めるべきですが、各国が軍事力を外交上の重要な要素として位置付けている以上、時間をかけて核兵器の廃絶を目指しつつも、まず優先すべきは互いに核兵器を使用させないための対処です。
冷戦後、近年再び、こうした「抑止力」の重要性が増しています。
「核兵器が使用されてから、改めて核の愚かさに気づいて核廃絶を議論するのでは遅い」ということは自明の理だからです。