トランプ大統領が台湾に多額の武器売却を決めました。
中国との軍事バランスを踏まえて、台湾が渇望していたものですが、これに対して中国は強く反発しています。
戦後、国連の中国代表権を有していた中華民国政府(台湾=国民政府)ですが、1971年の国連総会で中国代表権が中華人民共和国に認められ、国連を追放されました。
72年以降、「中国を一つの国家と認めること」になり、多くの国から中国の一部のように見られてきました。
しかし、台湾に中国共産党政府の主権が及んだことは一度もありませんので、台湾は紛れもなく独立した民主主義国家です。
一方で、民主主義を標榜する国々であっても、中国の反発を恐れて、満足のいく台湾支援を行っていませんでした。
ですから、今回のトランプ大統領の決定は、武力行使も選択肢の一つとして公言する中国の脅威から台湾を守るための正しい判断です。
ただ、今回の武器売却は、戦車と歩兵が携帯する短射程の地対空ミサイルが中心です。
これらの武器は、平時には抑止力として機能するものの、有事には台湾が制海権や制空権の全てあるいは一部を失った際に初めて使用されるものです。
その意味で、中国側は「米国による一定の配慮」と認識しているかもしれません。
ですから、台湾の本音としては、制海権や制空権を確保するための武器、あるいは中国本土からの弾道ミサイルや巡航ミサイルを迎撃するための武器の方を、より強く望んでいることでしょう。
これに対し米国は、弾道ミサイルの迎撃が可能なPAC3を供与したり、最新鋭の空対空ミサイルの供与を決定したりしています。
また、「F-16」戦闘機の供与を決めたり、艦艇の供与を実施したりしています。
ただ、F-16は最新型を供与するものの最新鋭のステルス戦闘機「F-35」ではありませんし、艦艇も米海軍では退役した型が中心です。
また、フランスが供与した比較的新しいフリゲート艦も、ほぼ兵装しない状態で購入せざるを得ず、台湾独自で艤装を完成させています。
このように、台湾としては費用の問題もあるでしょうが、台湾が望む武器の全てが与えられている訳ではありません。
やはり日本こそが、台湾の「自由・民主・信仰」を守るために、安全保障の分野でも関係を強化すべきではないでしょうか。
今回の参院選では、与野党共に台湾問題は選挙で票にならないので取り上げる必要が無いと考えているのかもしれませんが、地政学上、台湾の存在は日本の安全保障に大きく関わります。
また、日中国交回復の際に台湾を見捨てた日本として、信義に関わる問題でもあると思います。
ですから、幸福実現党は台湾との関係強化を訴えており、台湾への武器供与も視野に入れています。
外交においても、筋が通っているのは幸福実現党です。