日銀が6月の短観を発表し、企業の景気判断は2期連続で悪化となり、2年9カ月ぶりの低水準です。
短観によると、製造業では大企業に比べて中小企業の方が「悪化している」と感じている割合が多いとのことです。
知人の小規模零細の経営者の中にも、景気が悪化し業績に影響が出ていると話す方が少なくないように感じます。
ある経営者の方が次のように話してくれました。
「確かに、『うちは景気がいい』と言っていると傲慢に聞こえる面はある。しかし、『経営が苦しい』とばかり言っていると、取引先にいらぬ心配を与えるし、銀行も融資に慎重になる。それに何より従業員も不安に感じてしまう。だから、心ある経営者はマイナスの言葉はあまり口にしない」とのことでした。
そう考えると、世の中の経済状況は思いのほか悪化しているのかもしれません。
実際、先月発表された景気ウォッチャー調査の結果も景気判断が下落傾向にあり、先行きの景気も悪化すると見ている割合が増えています。
一方で、政府の判断は、景気は引き続き拡大しているとのことですが、経営者や消費者の実感とはずれているように感じます。
景気の下降局面での消費増税は、景気の悪化に拍車を掛ける為に「行ってはいけない」というのが行政の定石です。
今からでも遅くありません。
政府は、少なくとも増税を撤回すべきと考えます。
その上で、消費税をはじめ法人税や所得税の減税を打ち出せは、トランプ大統領の米国のように国内消費が活発化し、景気悪化に歯止めがかかるだけでなく、政府のインフレ目標を容易に達成するほどの好景気が実現する可能性が見えてくるのではないでしょうか。