政府は、航空自衛隊の戦闘機「F-2」の後継機開発に関する予算の来年度概算要求の計上を見送る方針との報道がありました(※)。
防衛省は、F-2の後継機を日本主導で開発する方針ですが、日本単独で全てを開発することは困難と判断しており、米国などとどう関わっていくのか方針が定まらない為に、見送りの公算が強まったようです。
F-2の後継機の開発が先延ばしになれば、その分、F-2や主力の「F-15」戦闘機の延命や近代化改修でしのがなければなりません。
もちろん、空自では最新鋭のステルス戦闘機「F-35」の購入により戦力の強化を図っているわけですが、F-35を要撃戦闘機や制空戦闘機と見た場合、必ずしも全ての性能で既存のF-15を上回るわけではないとの指摘もあります。
また、いわゆるマルチロール機であるF-2の後継こそ、同じマルチロール機のF-35を充て、制空戦闘機であるF-15の後継に、空戦性能を重視した日本主導開発機を充てるとしたほうがリソースを集中できてすっきりしますが、それぞれの導入時期などの関係で簡単にはいかないようです。
しかし、F-2の後継機の開発が遅れれば遅れるほど、急速な勢いで戦力の強化を図る中国軍との航空戦力の差が縮まり、あるいは中国が引き離す状況になりかねません。
しかも、戦闘機生産から遠ざかる時間が長ければ長いほど、日本の航空産業にもマイナスの影響が出ます。
ぜひ、政府には、国防と経済のためにリーダーシップを発揮して頂きたいと考えます。
※:6月24日付時事https://www.jiji.com/jc/article?k=2019062300276&g=pol