沖縄県の玉城知事が、「尖閣諸島周辺の中国公船を、故意に刺激するようなことは控えなければならない」とする自身の発言を、3週間近く経った17日に撤回しました(※)。
発端は、尖閣諸島周辺海域を航行していた日本の漁船を中国公船が追い回したことに対して、知事が発言したものです。
これに対して、尖閣諸島の地元、石垣市議会の反発を受けて、知事が今頃になって発言を撤回したのは、遅きに失したと言えます。
撤回の理由は、「この発言が、尖閣諸島周辺海域が日本の領海ではないとの誤解を与えかねないから」としており、表向きは日本の主権を守る姿勢を見せています。
しかし、発言をした玉城氏の本心としては「中国と事を荒立てたくない」との思惑があったことは明らかではないでしょうか。
中国は、歴史的に尖閣諸島を日本の領土と認めておきながら、戦後、尖閣諸島周辺で海底資源が発見されると、1970年代になってにわかに領有権を主張するようになりました。
ですから、中国の主張には正当性がありません。
本件の日本漁船は、自国の領海やその周辺の排他的経済水域を航行していたに過ぎません。
玉城氏が、今回発言を撤回したということは、「非があるのは、日本の漁船ではなく中国公船である」と認めたということですから、発言の撤回で済まさずに、日本の主権を守るという意思を示すべきではないでしょうか。
それをしないのであれば、中国におもねっていると言わざるを得ません。
力を背景に威圧する全体主義国家中国に対しては媚びて、法に縛られている自国政府に対しては基地移転問題でとことん戦うという玉城氏の姿勢には、「正義」が無いように感じられます。
何故ならば、そもそも沖繩に米軍基地がある理由や、そこから派生した普天間基地移設も、武力を背景に勢力拡大を図る中国への対応もあるのだということを忘れてはならないからです。
※:6月17日付産経新聞https://www.sankei.com/politics/news/190617/plt1906170024-n1.html