立民党と社民党は、労働者が在職のまま選挙運動を行えるよう「立候補休暇」を取得できるとする法案を衆議院に提出しました。
労働者が事業主に対し申請すれば、事業主は取得を拒むことができず、立候補を理由に解雇などの不当な扱いをしてはならないとあります。
若者や女性の政治参加を促すのが狙いとのことです。
確かに、地方議会などでは議員の成り手が不足している自治体もあるため、誰もが立候補しやすい環境を整えることは大切です。
しかし、問題は議員になった後にもあります。
それは、特に地方において議員報酬が十分ではないため、議員の職だけでは生活できないということです。
特に、扶養家族がいる若い世代であればなおさらです。
しかも、議会は平日の昼間に開催されることがほとんどであるため、議員になったら、自営業ならまだしも、一般社員であれば事実上、会社を辞めなければなりません。
事業主の立場でも、仮に立候補休暇を付与した場合、ただでさえ働き方改革で就業日数が減る中で、会社の負担や損失が一層大きくなります。
また、立候補して当選した場合は退職に繋がりますし、落選した場合でも次回に立候補するのか定かでなければ、事業主が本当に当該本人を今まで通りに扱っていいのか疑問が残ります。
ですから、今回の法案は明らかに生煮えといえるものであり、参院選を控えたパフォーマンスに映ります。
選挙で、本当に政治参加を促したいのであれば、既成政党に偏った選挙制度を改めることの方が先ではないでしょうか。